痛快冒険小説にハマッテ寝不足な朝
珍しく(一年に2度あるかないかの事です)眠れなかったので『半島を出よ(下)/村上龍』を読んでいたら、クライマックスに差し掛かってしまいキリが付かず、結局残っていた部分最後までを読んでいたら3時を過ぎてしまいました。
この小説はイイと思いますよ。
久し振りにとてもおもしろい小説で、映画的には最高の原作になり得るだろうという感じました。
この小説を近未来の“政治アクション物”と捉えるのか、それとも単に“冒険活劇”と捉えるのかは人によって異なるでしょうけれど、私は緻密でリアルな政治的背景をベースにする“冒険活劇”としてとてもおもしろいと感じました。
そう言いつつ矛盾するのですが、小説の中で最も印象的だったのは、北朝鮮の(自称)反乱軍の将校達の心の移り変わりと故郷への想いで、登場人物によって異なるものの、それらは総じて“諦め”と“喪失”においてのみ語られていて、“未来”というビジョンが無いのです。
でも私たちだって、多くの人が未来のビジョンなんて持ってはいないのですけれどね、実際には…。
いい本です、(チョット値段が高いけれど)お勧めですよ。