素晴らしきモノ

下田から帰りの海も穏やかで、2時間半で用宗のマリーナに帰り着く事ができました。
いつもこうであれば楽チンなのですけれどね。



今回のJIBTは本当に充実したものとなり、いくつもの気付きを私に与えてくれました。


まず思った事は、カジキ釣りで最も重要な事は船の上での様々な業ではなく、それ以前に陸の上で立てる戦術にあるという事です。
この戦術というものはデータと経験に基づき立てられるものであり、私もカジキ釣り5年目にしてやっとその事に気が付きました。


二つ目は、クルーが個々に持つスキルとそのレベルです。
クルーの役目は操船・ナビ・アングラー・リーダーマン・タグマンに大別され、基本的には全てに対応する事が可能でなければいけません。
しかしそれぞれの役を最も得意とする人が、先任者としてイザという時には対応する事となります。
クルー全員がフルに頭と身体を使ってカジキを追い掛ける…。
カジキ釣りのトローリングというのはそういうものだと感じました。


三つ目は、キャプテンとしての私の素養という点です。
クルーの意見を吟味し、常に最適な指示と決断を下す。
また、安全と攻めという二律相反する要素に対し、最大公約数を求め、その上で結果を出すこと。
高いスキルを持つ優秀なクルーが居てくれても、キャプテンである私がそれを活かす事が出来なければ、結果には結び付きません。
仕事にも通じる事ですが、カジキ釣りでは代表者であるキャプテンが、全ての結果に対しての責任を負うという事です。


カジキ釣りは“釣り”ではありますが、あえて言うと私は釣りでもスポーツでも無く“ハンティング”であると思っています。
いい歳をしたオトナが数百人も集まってムキになって獲物を追い掛ける姿は、第三者から見れば滑稽にさえ映るかも知れません。
しかしカジキと海に魅了された多くの人は、地位や立場を超えて仲間としての絆を感じつつ同時にライバルとして戦う…。
そういうモノに出会うことが出来た私は、本当に幸せだと感じています。


カジキ釣りのシーズンは始まったばかりで、1ヵ月後には御前崎でのカジキ釣り大会にも参加の予定です。
すこしづつではあっても確実に進化して行き、何年か先にはメジャーな大会で当然の様に名前が挙がる様な存在になりたいと、静かに強く心に秘めている私です。


っと言いつつ、JIBTも終わった事だし、仕事もしなければ…。
ボートも大きくしたいですしね!