信念なきアンチテーゼ

沖縄の集団自決に対する教科書検定の結果が、大きな問題になっているのですね。


私はこの件に対して方向性のある意見を持ってはいないのだけれど、いずれにせよ真実はどこかにある訳で、これを機会としてそれを客観的に明確にする研究をしっかりすべきなのでしょう。


軍の関与という点では全く無かったという事は無いのだろうし、逆に全てのケースで100%あったという訳でもないのでしょう。
だから、今回の教科書検定における指針の基となった、当時民間人と一緒に山中を逃げていた軍人の『軍の指示で自決を強要した事は無い』という証言も、民間人の『軍人から自決用の手榴弾を渡された』という話も、どちらも本当なのだと思う。


死刑執行も核武装靖国問題も同じだけれど、最も問題なのは一方の当事者の強硬な反応に接し“事勿れ主義”的に議論を放棄しフタをしてしまう事だ。


今回の件での片方の当事者である教科書の出版社は、数年前の“新しい歴史教科書”を見習って、信念を持って対応して欲しいと思う。
簡単に『やっぱりチョットまずいので修正します』というのは、余りにも情け無い。
まぁ彼らも商売だからといえば、それまでなのですけれど…。


考え方として、右も左も鷹も鳩も在って良いと思う。
間接的ではあっても、私たちはそれらを選択する事が出来るシステムの中で生きているのだから。