飛騨高山の地元の食材を活かしたイタリアンに感動する −オステリア・ラ・フォルケッタ−


【飛騨高山に行くワケ】

思い立って飛騨高山に行って来ました。
これで高山に行ったのは5~6回目になります。
目的は高山ラーメンでもなければ高山の古い街並みの散策でもありません。


今回は高山市内にあるイタリアンのお店“オステリア・ラ・フォルケッタ”で、ワインに合う料理を堪能することのみを目的に、積雪2m級の積雪の乗鞍岳の麓を抜けて高山まで3時間の道中です。
『アホか!?』という人もおられることでしょうが、昨年夏にランチで“オステリア・ラ・フォルケッタ”の料理のスゴの片鱗に触れ、中途半端といえワイン好きの私としては『次回は必ずガッツり呑んで食う!』と心に決めていたのです。


【高山散策】
思ったよりも早めにの旅館に到着したので、古い街並みを散策することにしました。



《各家の軒先ではこんな感じの氷柱を見ることができます。屋根の上には20cmくらい雪が積もっていました。》



《相変わらず風情のある街並みですが、オフだけに誰も居ません!》



《軒先に、こんなものが…。》


宿泊先の旅館で『お店は5時ころには閉まってしまいますよ。』と教えてもらいましたが、見事にその通りになりました。
それと、夏に盛況だった“飛騨牛のにぎり(寿司)”や“飛騨牛串焼き”を売る売店は、そもそも冬の間は開いていない店もある感じでした。
前回訪れた灼熱の夏には大勢の観光客で賑わっていましたが、その人の数もアノ暑さも夢の中のできごとであったかの様に静かで極寒の高山です。(ちなみに翌朝の最低気温は、ナント!マイナス15℃でした!)


やっぱりイイですね、高山…。
冬もオススメです!


【“日本一うまい店”という称号を持つオステリア】

“オステリア・ラ・フォルケッタ”を知ったのはもう数年前のことです。
雑誌dancyu(ダンチュウ)のムック版で、サブタイトルが“決定版!「本当に旨い店」ガイド 日本一うまい店集めました”という本を見て以来、いつか行きたいと思っていました。




《2008年に発刊されたdancyu(ダンチュウ)の増刊号。この記事を見て、ずっと行きたいと思っていました。》


それが果たせたのが昨年の夏のことでしたが、満足するどころかランチで運転手の私にとっては非常な欲求不満となって、“オステリア・ラ・フォルケッタ”への思いはさらに大きなものとなりました。

というワケで今回は這ってでも帰れることができる様に、“オステリア・ラ・フォルケッタ”の近所の旅館を宿として、体調を含め万全の体制で当日を迎えました。


【不思議な空間】

“オステリア・ラ・フォルケッタ”の特徴は様々にありますが、まずはさておきお店の佇まいがとても素敵です。
オーナーいわく『潰される寸前だった。』という古ぅ〜い長屋を改装してお店に仕立て直したという店内は、とても日本的でありながら、カウンター越のオープンキッチンはモダンで整然としています。
このちょっとミスマッチな感じが、“オステリア・ラ・フォルケッタ”の雰囲気を唯一無二なものにしていると感じました。



《オープンキッチンの中で仕事中の土井シェフと奥さま。私たちと同世代です。》



【イヨイヨです!】

今回予約の際にシェフには『とにかく!ワインに合う料理をお願いします!』という注文だけさせて頂きました。



《まずはコレで乾杯!やはり最初は泡でしょう!》


相談の結果、スプマンテの後は赤ワインとすることに決定。
前菜には今が旬のジビエも取り入れることになり、正直期待と不安が交錯します。



《本日のワインはカサーレ・ヴェッキオ“。ライト気味のミディアムボディでサッパリ系です。》



《前菜の盛り合わせです。特に良かったのが、フォアグラを酒粕で包んで炙ったテリーヌっぽい一品(手間のピンボケのです)でした。》




《“飛騨牛のマリネ・サラダ添え”。噛めば噛むほど…て感じの、味わいの深いもも肉です。欲張ってパルメジャーノ掛けてもらいすぎで、写真的にはイマイチですね。》




《昨夏のランチでいただいた“飛騨牛のマリネ・サラダ添え”。参考写真です。》



《“ホウレン草のトルテッリ”。餃子の様なパスタです。とても濃厚な味なのだけれどまったくヘビーではなく、なんとも表現が難しい味の雰囲気です。これキマシタ!》




《次の1品を作るシェフ。シェフの仕事ぶりがよく見えるオープンキッチンのカウンター席は“オステリア・ラ・フォルケッタ”の特等席です。》



シェフと私たちは同世代というだけではなくて、ちょっとマイナー系のヨーロッパ車が好きであったりする点でも話が盛り上がって、最初から最後まで楽しい時間を過ごすことができました。
なんか一緒に飲みたいって感じの、素敵なご夫婦です。



《“タッコーニパスタ飛騨牛の黒コショウ煮込みペポーソソース”。昨夏のランチでもいただきました!これはフルボディの赤がバッチリ合う深い味わいです。ウマすぎです。》




《鹿三昧です。実は肉の赤ワイン煮込みって好きではない私ですが、これは別次元!カツレツもグリルも適当な表現が思い浮かばないほどの美味しさです。》




《奥さま担当のデザート。私もチョビットだけ味見をさせて頂きました。》


19時にお店に入って3時間以上、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。


お店の佇まい、料理の味わい、ワインのセレクト、そして何よりもシェフと奥さまとの会話の全てに大満足です。


遥々、安房峠を超えてやって来たかいがありました!

さて、次はいつお邪魔しようか…。

ごちそうさまでした!