脚にもエンジンにも魔法が掛かっているクルマ   −シトロエン C5 −

久し振りに心から欲しいと思うクルマに出会いました。



《試乗した“シトロエン C5”。同じC5のワゴンボディである“ツーリング”が猛烈に欲しい…。》


そのクルマはシトロエンのC5。
これはイイ車です!


シトロエンC5は意外に大きいがそれほど高くはない!】
このクルマは全長が4.8mを超えているので、カテゴリーとしてはBMWの5シリーズやメルセデスのEクラスと同じDセグメントに属しますが、エンジンの排気量は1.6LでBMWミニと同じエンジンを積んでいます。
いくらなんでもこのボディにミニのエンジンでは、不安になるなという方がムリですね。


また、値段的にも3シリーズやCクラスよりも低く、とてもリーズナブルな設定。
ムリすれば手の届く範囲というのは非常にキケンです!



シトロエンC5のトランスミッションとエンジンは本当にスゴイ!】
1年ほど前に同じC5の2Lのモデルに試乗したときには、設計の古い4発のエンジンのトロさを際立たせる4速ATのデキの悪さに閉口しましたが、新しい1.6Lエンジンとアイシン製の6速ATとの組み合わせは、事前の予測を完全に裏切りネガティブに部分が皆無(ホント!ゼロ)といえます。
感覚的には20年分くらい一足飛びに進化したといっても過言ではありません!
さすが、BMWが作ったエンジンだけのことはありますね。



《写真では分かりにくいですが、エンジンルームはスカスカでクラッシャブルゾーンてんこ盛りです。衝突安全性の観点からも評価できますね。》


でも『そうは言っても1600CCポッチだろう!?』と思われるのは当然で、つい先だって同じエンジンを積むプジョーの3008に試乗しデキの良さに感心した私も、さすがに3008よりも100kg重いとなるとさすがに厳しいだろうと想像していました。



プジョー3008とシトロエンC5セダクション。同じエンジンを積んでいますがフィーリングは全く別物の感じです。》


っが!しかし、それは全くの老婆心でしかなく、エンジンの排気量で走りのイメージを想像するという手法が、既にひと世代前の考え方であるということを思い知らされることに…。
あっ!同じこと、ゴルフに乗ったときにも感じていたんだでした…。


しかしまぁ、どう考えても1.6Lのエンジンの仕事とは思えません。
ちょっと魔法掛かっている感じで、その意外さはゴルフのそれの遥か上を行きます。
トルク感も静粛性もフィーリィング上質なもので、そうと知らずに乗れば2.5Lの6発クラスという感じ。
トランスミッションの違いによるものでしょうが、ミニやC3や3008と同じエンジンとは到底思えません。
しかも、過給器のマネージメントも非常に高度かつ優秀で、その存在はモチロンのこと、エンジンが頑張ってムリをしている感じは皆無です。


VWに代表されるエンジンのダウンサイジングの波に感化され、わたし自身の中でも『排気量がより大きい車がより高級』というヒエラルキーは過去のものになりつつはあります。
しかし、トヨタで例えるならばカローラとクラウンのエンジンが同じで『大丈夫!全く問題ありません。余裕です!』といわれても、それは疑心暗鬼にならざるを得ないですよね。
でも、本当に大丈夫なんですよ、これが…。



シトロエンC5のハイドロはやっぱりイイ!】
ハイドロいいですねー!
より自然になってきましたが、でも相変わらず金属バネとは違う世界がそこにはあります。
普段は道路上のマンホールや段差を極力かわして走る私ですが、ハイドロに乗るとわざと荒れた舗装面を選んで走りたくなっちゃう感じです。
新しいC5の乗り心地を『ベントレーに匹敵する』と表現した自動車評論家がいましたが、あながち大げさな表現ではないかもしれませんね。



《エンジンルームの左右にあるハイドロ用のスフェア。(未体験ですが)魔法の絨毯に乗っているという感じの表現がピッタリのハイドラクティブの乗り味です。》



《手動でも車高調整が可能です。昔のハイドロとは違って亀の子にはなりません。》




シトロエンC5のネガティブな部分(アラ探し)】
今回の試乗は高速道路も含んだものでしたが、正直このクルマにネガティブな部分を見つけることはできませんでした。
まぁあえて言えば、純正のHDDナビゲーションの操作感イマイチな程度です。
これについてはどうしてもというのであれば交換すれば済む話ですが、そうするとステアリングのセンターパッドにあるオーディオ類のコントローラーが使えなくなってしまうとことと思います。
そうであれば純正でガマンする方が得策でしょう。

Bluetooth付きのスマートフォンを使用している私としては、そういった面がリンク可能なナビであるとありがたいのですが…。



シトロエンC5の結論】
シトロエンC5ツアラー、マジメに欲しいです!

グレードは豪華装備のエクスクルーシブである必要はなく、積極的な選択として1インチ小さい17インチホイールにハーフレザーシート仕様となるセダクションを選びます。
セダクションで残念なのは、シートヒーターがオプションでも選択できない程度です。



【っで、シトロエンC5を本当に買うのか!?】
しかしウワサでは、上海かジュネーブのモーターショーにスタディモデルが、その後フランクフルトで生産型が発表されるという“DS5”が気になります。
ただし、DS5はC5ベースではなく3008のシトロエン版という話しもあります。



《Webでウワサになっているコレが本当にDS5だというのなら絶対に買いますよ!》



《実際にはコチラが生産型に近いと思われます。ちょっとシューティングブレーク風で私の好みのスタイルです。》


仮にDS5が日本に入ってくるとしても、それは来年のことでしょう。
まずはDS5を見てからですね。

なんてことを言っていると、買いの時期を逸してしまうんですけれど…。
まぁそれも運命です。