絶望の先の希望

070311

“パイロットフィッシュ/大崎善生”


先日、友人がこの本を貸してくれました。
エロ本編集者の主人公に、昔の恋人が19年振りに電話を掛けて来てくれるという話し。


話しの全般としては余り救いはないのですが、でも絶望的ではなくて明るさが差し込む出口はあって、適な爽快感も感じられる…。
この感じ、どこかで接した事が在るって、この小説を読みながらずっとそう思っていたのですが、今さっきそれがナンなのか解りました。


この大崎善生という作家が書いた“アジアンタムブルー”という作品を、自分でも半年前くらいに読んでいたんですね。
詳細は良く覚えていないけれど、ニースを死に場所に選んだ恋人との話しでした。
いい小説だったなぁ。
アジアンタムブルーもこのパイロットフィッシュと同様に、死や別れに絶望した後に出口に向かって歩き出すところで終わる。


絶望の先にある希望…。


いつかやって来ると言われている大地震の様に、今までに経験した事のない様な絶望に接した時、その後で私は立ち上がることが出来るのだろうかと思うと、ちょっと怖い…。
人に自慢できるほどの苦労なんて、全くしたことが無い私ですから、想定外のインパクトに耐えうる自信なんて全然ないんですよね。
まぁそんなこと考えたってしょうがないんですけれどね。


でも、そういえば随分昔にも同じ事を思った事があったなぁ。